林業家が製材所を復活

徳島県西部に位置し日本百名山にも名を連ねている「剣山」。
標高は1955m。西日本で2番目の高さを誇ります。
剣山は弘法大師空海と関係が深く、空海が真言密教の修行の山を剣山と定め
周辺に八十八ケ所の霊場を設けました。今も昔も、周辺一帯がパワースポットであり、その中心が、霊峰・剣山です。
お遍路や観光で有名な剣山ですが、実は日本でも有数の木材の産地で
大径木の宝庫です。
標高1000mを超す高地は南国四国でありながら山岳地形の亜寒帯植生であり
寒暖の差と芳醇な吉野川に注ぎ込む豊かな水が、目の細かい良材を育んできました。
70年以上前、拡大造林で、重機もない時代に人力での植林や、下刈り、間伐を
先人たちが、子孫の我々の為に世話をし、残してくれたこの良材が
今、ピンチを迎えています。
大径木に育ち、本来ならお寺や神社等の木工事に使われる用材が、大きすぎる故、従来の製材所では製材することが出来なくなり、それ以上に、従来の製材所が廃業して地域に製材する場所がなくなり、行き場をなくしています。
そこで、我々は剣山の麓にあった古い製材所跡地に、Wood-mizer社のLT15WIDEという直径900mm、長さはレールをたせば、何メートルでも挽ける製材機を導入しました。
立木から伐採、搬出、製材まで当組合で一手に行い、中間ロスを無くして良材を低価格で皆様にご提供する事は、先人の苦労に応え、良材を無垢材の製品としての良さを、より多くの人に使って、そして知って頂くことが、当地だけでなく林業不振の現代日本で、ふたたび息を吹き返す事と信じております。
写真のある末口400や500超えの大径木が、これから伐期を迎えます。当組合では、この様な大径木で8mを超える長尺材の原木販売はもとより、今回開設した製材所で注文挽きも賜っています。
少し大ぶりに挽いて自然乾燥後、出荷前に再度挽き直しをしての納品も可能です。
また、お客様と一緒に山に入り、立木の状態で良材を選んで頂き、葉枯らし乾燥
そして製材して、手塩にかけた良材を皆様にお届けしたいと考えております。

立木から製材、そしてその先まで。From forest to final form
木に関わる全ての事を、お気軽にご相談ください。

つるぎ木材加工協同組合 代表理事 伊庭 雅俊