京都府の真ん中、南丹市美山町で伝統建築「木組み」の文化をつなぐ小関康嗣。
「大工はオーケストラでいったら指揮者みたいなもの。」
人と同じように、木も1つとして同じものはない。その木その木が持つ癖を読み取って木の持つ力を最大限に引きずり出す、それが伝統建築なのだと小関は考えている。
鑿(のみ)や鉋(かんな)を使って精巧な木組みの組み手をつくりだす能力はもちろん大切。
しかし、それ以上に大切だと小関さんが感じているのは「木の采配」をすること。
その木が柱になり、梁になったときにどういう風に動くか。
「自分が“こういう形で収まってくれ”という所。自分より遥かに長く生きてきた木が、自分が死んだ後もずっとそこにあり続けるように采配しなければいけない。」
これが最も大切であり、大工仕事の1番の醍醐味でもあると小関は感じている。
そんな小関さんと長年の付き合いであり、阿吽の呼吸でわかりあう草木幹也さん。
草木さんは伝統軸組の家を建てるにあたって「木を選ぶこと」の重要性を説きます。
「柱1本でもどちらに持っていくか。梁を使うときも勝手を上に向けるか、下に向けるか。」
他にも木造りの幅・厚み・背も踏まえ、上からの荷重に耐えられる材料を選びます。
鉋について、「その特徴は美しさと長持ちさせる点にある」と話してくれたのは小川芳治さん。
修業時代から毎日、朝昼晩と鉋を研ぎ続けている彼は、鉋は単純な道具でありながら非常に奥が深いものだと言います。
「どんなにしんどくても建前でうまく組み上げたときの感覚は絶対忘れない。大好きですね、あの達成感は。」と小川さんは語ります。
そんな職人達の後押しをしているもの。
それはウッドマイザーLT15 と、山そのもの。
「ウッドマイザーLT15と山。この2つがあれば前途多難な時代もなんとか乗り切っていけるんじゃないかと思っています。」と小関は未来を見据えます。