大工は思想・山と大工を製材で繋がる

大工志塾×Wood-mizer製材機
森林資源に恵まれ、木造建築技術が発達した日本は現在、その技術保持、つまり職人について様々な問題を抱えています。大工だけでなく、畳、鍛冶屋、左官、経師、農業、林業など、伝統技術をもった職人はどんどん少なくなり、腕も知識もいらない短寿命建築がどんどん増えていく。そんな中、私は何とか、この状況を変えたいと自分で工務店を始めた4年前から職人の育成に力を注いできました。現在、4人の弟子がいて、その弟子たちが弊社で働きながら月1で通っている塾があります。

【国家プロジェクト 大工志塾】

工務店に勤めながら月に1回各地の教室で講義を受け、年に2回全国の塾生が群馬県神流町に集まり、2泊3日の集合実技研修を行います。
最初は緊張気味の塾生たちだが2年3年となるにつれこの神流町に集まるのが楽しみで仕方ない。こうやって全国に同じ志を持った横の繋がりができます(卒塾すると大工志の会に入る。現在会員約600名)
私はこの大工志塾で規矩術(きくじゅつ)の講師をしていますが、各学年トータル年6回の神流町研修にも弊社の立ち上げからの相棒である大工、佐々木達哉と必ず参加して塾生へ指導をしています。
今回、特別講師を依頼したのが美山里山舎の小関さんです。

 テーマは
【大工は思想・山と大工が繋がる】
【極小規模木質資源フル活用】 

Wood-mizer製材機と薪ストーブを使って循環する資源の使い方。
無垢の木を工夫し活かす“大工と山”がダイレクトに繋がることで
どんなメリットがあるか?具体的には自社に利益を出しつつも、社会に貢献できるか。(売り手よし、買い手よし、世間よし)
これから伝統技術を学び、そして次世代へ繋いでいく僕ら「大工職人」の今の時代に沿った生き方、在り方。リーダー、プロデューサーであることの大切さ。

美山里山舎では自社所有林から、木の伐採〜家の完成までのすべてを自社大工で行っており、その他にも森林資源をフル活用し、農業、薪ストーブ、ソーラー発電、スギチップ浄化槽、薪ボイラー、廃材、間伐材利用マウンテンバイクコース、モバイルハウス、サウナ、五右衛門風呂(詳しくはHP)など【自立】をテーマに様々なサステナブル(持続可能)なことに取り組んでいます。
分業化が進み、自分のパート(施業範囲)以外は考えなくなった現代日本で、川上から川下まで(流通の全パート)をカーバーする考え方が聞けるなんて!私はここまで木を有効活用している仕組みは未だかつて見たことがなく、そして驚くのはしっかりと利益を出しつつしっかりと環境に配慮し社会貢献していると言うこと。
イッパシの大工を目指す塾生は勿論の事、僕ら講師陣、神流町の町長をはじめとする町民の皆様、山のプロである森林組合の皆様が受講頂きました。