僕の問題意識。
気がつくと住宅の材料のすべてが、他所からやってきて、
高額な建築費のほぼすべてが、地元に循環されず、他所に持っていかれる。地方衰退の大きな要因のひとつだと思います。
そして、地元の山の木は使われず放置。
地元の木は邪魔な厄介ものとして、時には高額なお金を払って処分してもらう。
と言う悲しい現実です。
地方は、上手いこと騙されてカモられている。と言っても言い過ぎではないと思います。
山は、木の畑。苗を植えてから、50年とかかり、収穫期を向えます。
収穫されない農産物が山のようにあり、どう活用していいのか?大工でさえもほぼ知らない。と言うのが、現状かと思います。
それで良いのか?ということです。
収穫物の最終的な活用は、大工にかかっている。
使う人がいなければ、農産物もただ腐るだけ。
そして、最終的な活用を山の立ち木から、行える。と言う所に、
ウッドマイザーによる地方復活の可能性があるわけで、
大手建材屋に頼らず、自立する。今後はそういう大工が地域の社会的共通資本と同様に必要になる。
時代は、人口減少で、家余りです。そして、日本は競争力を失い、皆貧しくなる。
町場の大工の課題として、どこまで無理なく値段を下げられるか?
と言うことも、出てくると思います。
町場の大工が、金持ち相手の仕事で良いのか?と言う問題です。
地元の木で自伐製材。と言う所に可能性はあるかと思います。
毎年のようにやってくる災害。その度に大量の産業廃棄物を目にする事になります。そう、家は産廃で出来ていた。と思い知る訳です。
すぐそこの山の木を、土を使い、ツバメの巣のように、不要となれば土に変える。できる限りそうあるべきです。
建築に限らず、あらゆる選択は、今を生きている僕らの為ではなく、未来の世代の為にあるべきかと思います。
山の木を使いきる、山の循環系の復活。
地元の物を地元で。と言う地域経済の、お金の循環系の復活。
住宅と言う高額な買い物には、地域を変える可能性が眠っている。
ウッドマイザーと言う製材機を通して、何かが変わる可能性があると思います。
建築の世の中に与える影響は、想像以上に大きい。
大きく世界を変えるかもしれない。
と、思っています。
谷村建築工房 代表 谷村愼哉