山に起きている「静かな異変」:太すぎる木が抱える課題
「日本の山には木が溢れているから、家づくりの材料には困らない」
そう思われるかもしれません。
しかし、林業の現場では今、ある逆説的な問題に直面しています。
それは、「木が太くなりすぎて、家の柱に適した材が取れなくなっている」
という事実です。
構造材には、適度な「白太(辺材)」が必要です。
木が太くなりすぎると、製材しても「赤身(心材)」ばかりになり、
住宅の柱や梁に求められる強度のバランスが保てなくなります。
放置され、ただ高齢化した森は、価値ある建築材ではなく、
安価な集成材の原料に甘んじてしまうリスクを孕んでいます。
山が豊かになり、木が太りすぎてしまったことで、
日本の伝統的な「在来木造」に適した材が確保しにくくなっている
という逆説的な現実があります。

「柱」が取れない?構造材に求められる絶妙なバランス
80年生の木から「柱」が取れない理由
一般的に、住宅の柱や梁(はり)には、木の中心部である「赤身(心材)」だけでなく、
外側の「白太(辺材)」が含まれていることが重要です。
白太には弾力性があり、この2つのバランスが取れてこそ、
地震や台風に耐える「しなやかな強さ」が生まれます。
しかし、手入れが遅れ、80年、100年と太りすぎた大径木を四角く切り出すと、
中心の赤身ばかりの材になってしまいます。
これでは在来木造の構造材としての品質を保つのが難しく、
せっかくの巨木が安価な集成材の原料として買いたたかれてしまうのが現状です。

またはチップにされる原木丸太からも、
立米何万にもなる材が取れます
放置ではなく「更新」を。在来木造を支える道づくりの使命
美山の森を「更新」し続けるために
私たちMSコーポレーションは、美山の森でこの課題に向き合っています。
大切なのは、森をただ残すことではなく、適切な時期に木を伐り出し、
新しい苗を植える「更新」のサイクルを回すことです。
そのために不可欠なのが、災害にも強い「森林作業道」です。
道があるからこそ、山に光を入れ、高品質な材を一本ずつ丁寧に運び出すことができます。
私たちが「高密度路網」にこだわるのは、
それが日本の在来木造建築を守る唯一の道だと信じているからです。

能登震災で見えた木組みの強さと、これからの森林直販
昨今の震災現場でも、伝統的な木組みの強さは証明されました。
太古から続くこの知恵を次世代に繋ぐには、
建築の足もとに「山」が寄り添う「森林直販」の形が理想です。
どんな山を作り、どんな木を育てるか。
私たちはその現場から、未来の家づくりを支えていきます。
【実践編】1/31・2/1開催:山の価値を創る「森林作業道」講座
1/31・2/1の講座では、その理論と技術を公開!
まさにこの「山の価値を維持するための道づくり」を、Kubota U55を使って体験していただきました。
「山を太らせすぎない」ことが、日本の家を守ることに繋がる。
私たちは美山で、次世代に繋ぐ道づくりを実践しています。
美山の豊かな資源を次世代に繋ぐため、現場での実践詳細はこちら👇
小規模木質資源フル活用|美山里山舎が実践する山の百姓への道https://full.satoyama-sha.com/

