今回ご紹介するのは、檜・桜・楠の一枚板を贅沢に使用し、
極めて難易度の高い「回り階段」として仕上げた作品です。
この階段は、蹴込み板を持たないストリップ構造で、
踏板だけが空間に浮かぶように連続するデザイン。
見た目は軽やかですが、
構造的には非常に高度な技術が求められます。
三次元的な角度調整、
踏板ごとの微妙なねじれ、
そして一枚板ならではの存在感──
どれを取っても、職人の経験と感覚がなければ形になりません。

いま世の中ではAIの話題があふれていますが、
木工や建築の現場にいると、ひとつ確信できることがあります。
AIがどれだけ進化しても、木を扱う仕事の価値は下がらない。
むしろ、これからさらに高まっていく。
その理由はとてもシンプルです。
AIは大量の情報処理や文章生成は得意ですが、
一本一本クセの違う木材を読み、
現場で判断し、
手で仕上げる仕事は代替できないからです。
木は、自然が何十年もかけて育てた唯一無二の素材。
その個性を見極め、最適な形に導くのは、
人の目と経験、そして手の感覚です。
特に今回のような 蹴込み板のないストリップ構造の回り階段は、
AIが図面を描けても、『木をどう扱うか』という判断は人間にしかできません。

AI時代にこそ、伝統工法と匠の技が再評価される理由
日本の伝統建築は、自然と対立するのではなく、
「自然素材の個性を読み、活かし、共に生きる」という価値観を持っています。
- 木は一本一本違う
- 完全な均一性を求めない
- 不揃いを“味”として活かす
- 木の動きを前提に構造を考える
日本の伝統工法は、
自然素材の不揃いを“欠点”ではなく“個性”として扱い、
木の動きや呼吸を前提に構造を組み立ててきました。
これは、 均一化されたデータを前提にするAIとは真逆の価値観です。
だからこそ、AIが進化するほど、
「自然素材を扱える人」「木を読む人」「仕口を組める人」
の価値はむしろ上がっていきます。
木工・大工の仕事は、 AI時代において“最後まで残る仕事”ではなく、
これから価値が上がる仕事なのです。

檜・桜・楠──三種三様の個性をどう活かすか
今回使用した材は、すべて国産の無垢材。
檜(ひのき):軽くて強く、香りが良い
桜(さくら):硬くて緻密、上品な光沢
楠(くす):柔らかく温かみがあり、加工性が高い
これらの材を階段として成立させるためには、
木目の方向、反りの傾向、硬さの違いを読み取りながら、
「どの部分を踏板に使うか」「どの方向で挽くか」
を判断する必要があります。
階段づくりは、木と職人の『対話』そのものです。
製材から仕上げまで、ウッドマイザーが支えた精度と効率

LT40──大径木の一枚板を美しく挽く
ウッドマイザー製材機は、薄刃バンドソーによる高精度切削で、
木目を生かした一枚板をロスなく切り出すことができます。
今回の階段材の基礎となる大判材は、すべてLT40で製材しました。
現場に合わせた柔軟な製材
ウッドマイザー製材機は、超コンパクト&安全設計のため
現場で必要な厚みや幅に合わせて挽けるため、
「必要なときに、必要な材を、必要なサイズで」
という柔軟性が大きな強みです。
MP360─圧倒的な精度のモルダー・プレナー
四面加工で階段材を整える

階段材は、厚み・幅・角度の精度が命です。
MP360は四面同時加工ができるため、
踏板の寸法を均一に整え、
仕口や接合部の精度を高めることができました。
最終仕上げは“手仕事”──機械と人の技が融合する瞬間
ウッドマイザー製材機・加工機械は、 決して
職人の手仕事を邪魔せず、むしろ“下地の精度”を高めてくれる
現代の職人の頼れる相棒です。
ウッドマイザーで整えた材は、
最後に大工さんの手鉋で微調整され、
木の表情を最大限に引き出す仕上げが施されます。
触れたときの心地よさ
踏んだときの安心感
木目の流れが生む美しさ
これらは、AI・機械だけでは作れません。
機械の精度 × 職人の感覚 =唯一無二
この組み合わせが、今回の階段を唯一無二の作品へと導きました。

ウッドマイザーが選ばれる理由
今回のプロジェクトを通じて、改めて感じたのは、
ウッドマイザーの製材機と4面モルダー・プレナーMP360が、
“職人の技術を最大限に引き出す道具”であるということです。
- 木材ロスが少ない
- 木目を生かした製材ができる
- 現場に持ち込める可搬性
- 無垢材・一枚板との相性が抜群
- 職人の感覚を邪魔しない操作性
ウッドマイザーは、
「木を生かす文化」を支えるために生まれた機械だと感じます。
技術と創意工夫が生んだ、世界に一つの階段
今回の回り階段は、
- 国産無垢材(檜・桜・楠)
- 一枚板の存在感
- ウッドマイザーの製材技術
- MP360の精度
- 職人の創意工夫と手仕事
これらが融合して生まれた作品です。

日本の大工技術は、
常に“工夫と発見”の積み重ねで進化してきました。
AIが得意な仕事は効率化され、 逆にAIが苦手な仕事──
現場で判断し、手を動かし、素材と向き合う仕事──
AIでは絶対に代替できません。
ウッドマイザーは、 その技術を未来につなぐための“相棒”です。


