「あれ?これ、どこかで見たことあるかも……?」
長野県を訪れた際、偶然通りかかったある現場で思わず足を止めてしまいました。
目の前に広がっていたのは、見事な階段状のギザギザな木組み。
写真を見た瞬間、昔ドコモのCMで話題になった、あの木の玉がコロコロ転がって曲を奏でる「森の木琴」を思い出した方もいるのではないでしょうか?

森の中に作られた巨大な木の滑り台(階段)を、木製の玉がコロコロと転がり落ちていき、
カタカタと心地よい音を響かせながら音楽を奏でるという非常に有名なCMでした。
まさにあの木琴のベース枠そっくりのビジュアルですが、もちろん玉を転がすための仕掛けではありません。
実はこれ、長野県にある木造アーチ橋の解体・修復工事の現場なんです!
普段は見られない「床下」に隠された職人技

私たちが普段、木造の橋を渡るときに目にしているのは上の「床板(踏み板)」だけですよね。
今回の工事ではその床板が外されており、普段は絶対に隠れて見えない「橋の骨組み」がむき出しになっていました。
あのギザギザ加工(桁の刻み)は、アーチを描く滑らかな傾斜に合わせて、歩きやすい踏み面(階段)を
しっかり固定するための重要な大工仕事です。
寸分の狂いもなく整然と並ぶ木組みのライン……。
「これはとんでもなく手間と精度がかかっているな」と圧倒される美しさでした。
雨風に耐え、未来へ継承される日本の木造建築

錦帯橋のような圧倒的な豪華絢爛さとはまた違いますが、豊かな自然と美しい清流の中に溶け込む、
実用的で堅牢な木造アーチ橋です。
屋外に置かれる木造建築は、常に雨風や紫外線のリスクと隣り合わせです。
だからこそ、こうして定期的に解体し、痛んだ部材を取り替えたり組み直したりしながら、
世代を超えて橋を守り続けているんですよね。
「完成してしまえば見えなくなってしまう部分」にこそ、職人の本気とプライドが宿っている。
そんな日本の伝統的な木工技術の深さを再確認できる、本当に貴重な現場に出会えました。
もし皆さんも旅先で木造の橋を見かけたら、ぜひ足元の「見えない構造」にも思いを馳せてみてくださいね!
林業ー製材ー加工ー伝統建築まで、一気通貫する「職人」|美山里山舎





